技術覚書

自分のために技術的なことを色々と書こうと思います。

【読んでみた】大人のための国語ゼミ

こんにちは。

「技術」と関係ないですけどこんな本読んでみましたよ。

読んだ本

増補版 大人のための国語ゼミ (単行本)

増補版 大人のための国語ゼミ (単行本)

 

なんでこの本を読もうと思ったの?

「人に何かを正しく、しっかり伝える方法」や「人の話を正しく解釈する方法」を勉強したいなーと思って

本の目次

  • 相手のことを考える
  • 事実なのか考えなのか
  • 言いたいことを整理する
  • きちんとつなげる
  • 文章の幹を捉える
  • そう主張する根拠は何か
  • 的確な質問をする
  • 反論する

要約

相手のことを考える

ポイント:

(本書P.17)

特に知っておくと役に立つ知識や技術があるわけではない。ただひたすら相手のことを考える。その言葉で相手に伝わるかどうかを考える。それだけである。

事実なのか考えなのか

ポイント:

  • 共有されていない可能性がある意見や見方を、共有されているかのように語ってはならない。
  • 共有されていない意見や見方を既定のことのように語る相手に対しては、その決めつけを見抜き、議論の俎上(まな板の上のこと)にのせること。

「事実」・・・その正しさがすでに確定している事柄

「考え」・・・事実ではない事柄。考えはさらに「推測」「意見」に分かれる。

      「推測」・・・~だろう。(事実だと思われるが、まだ不確かなこと)

      「意見」・・・「私は~だと思う」(自分の考えていることを述べたもの)

(本書P.40)

自分の考えにすぎないことを、あたかもすでに正しさの確定した事実であるかのように述べるのは詐欺である。

 

「事実の多面性」・・・「物は言いよう」、「よく言えば〇〇、悪く言えば✕✕」

(本書P.49)

(中略)、私たちの生活に関わる多くのことがらは一面的な記述にとどまるものではない。どんな事実描写もなんらかの「言いよう」のもとにあり、複数の「言いよう」のもとにある。ただ一つの客観的事実とそれをめぐる複数の主観的意見があるというのではない。私たちはむしろ事実そのものの多面性を認めねばならない。そして、事実の多面性を認めた上で、その危険性についても十分に理解しておく必要がある。

 

(本書P.61)

議論の土俵に上がるということは、その土俵を受け入れることを意味する。そうして本当は議論すべきことを、議論せずに、しかも無自覚の内に、認めさせられてしまうのである。狡猾な人これを意図的に行い、自分の意見にすぎないものをいつの間にか既定のことにしてしまう。そんな罠にかかってはいけない。

 

言いたいことを整理する

ポイント:大事なことは3つ

  1. よけいなことは書かない
  2. 話題ごとにまとめる
  3. 書く順序に注意する

きちんとつなげる

ポイント:(文と文を)きちんとつなごうとすること、

(本書P.129)

接続表現は文章における道しるべである。自分が分かっていることは人もわかるはずだというひとりよがりな態度は、道しるべのない文章や曖昧な道しるべが立てられた文章を生むだろう。相手のことをよく考え、迷いそうなところには的確な接続表現を使う。それによって、文章の流れが見えてくる。

 

文章の幹を捉える

ポイント:

(本書P.139)

文章を要約する前に、「いったいこの文章はどういう問いかけや要求に答えようとして書かれているのだろう?」と考えてみる。つまり、文章の根をはっきりさせるのである。根が捉えられれば、何が幹であるかもはっきり見えてくる。

 

そう主張する根拠は何か

ポイント:

・「理由」「原因」「根拠」の違い

  • 理由・・・「なぜ?」の問いに対する答え
  • 原因・・・あるものごとが何によって引き起こされたのかを説明する理由
  • 根拠・・・ある主張の説得力を増すために示される理由

・「事実」・・・根拠は示さなくてよい。

・「考え」・・・「推測」:根拠がないとたんなる憶測

        「意見」:根拠がないとたんなる独断

(本書P.180)

事実を述べる場合と異なり、推測の場合も意見の場合も、聞き手はまだあなたの主張に納得してくれないかもしれない。だから、その主張の説得力を増さなければならない。そのために、根拠を述べる。根拠が示されていない推測は憶測にすぎず、根拠が示されていない意見は独断でしかない。

的確な質問をする

ポイント:

(本書P.210)

ただ受け身で読んでいるだけでは質問は思いつかない。文章を読みながら、自分を活性化させること。想像力と論理力をフルに働かせて、いきいきとした頭で文章に向かう。そうすると聞きたいことがあれこれ出てくるはずである。

質問の種類

・情報の問い(もっと知りたい)

  ・もっと詳しく知りたいことはないか
  ・関連する話題でさらに知りたいことはないか

・意味の問い(もっと分かりたい)

  ・分からない言葉はないか
  ・曖昧な言葉はないか

・論証の問い(きちんと納得したい)

  ・独断的なところはないか
  ・飛躍はないか

(本書P.221)

理解するための質問はあなたが理解しにくいと思ったところに対して出せばよいし、納得するための質問はあなたが納得しにくいと思ったところに対して出せばよい。そこにおいて大事なことは、「そんなことも分からないのかと思われてしまわないか」といった気持ちを克服することである。質問することはけっして恥ずかしいことではない。むしろ、質問が出るということは聞き手・読み手として活性化している証にほかならない。

さらに、実はきちんと分かっていないのに分かった気になっているだけという状態に注意しなければいけない。ちゃんと理解できているのか、本当に納得できているのか、そう自分に問いかけよう。

反論する

ポイント:

論証を批判する・・・論証の不備を示すこと

反論する   ・・・相手の論証を批判した上で、対立する主張を根拠とともに述べる

単に反対する ・・・ただ相手と対立する主張を述べるだけ⇒お互いが単に反対すると「水かけ論」

(本書P.245)

反論が苦手な人は、相手の言うことを-よく言えば素直に、悪く言えば無反省に-受け入れてしまう。そのような人は、素直さのスイッチをいったん切って、疑いのモードに切り替えることを覚えねばならない。納得しそうなところでも、あえて立ち止まり、「ホントカナ?」と問いかけてみるのである。

反論するためのアドバイス5つ

  1. 論証の構造をはっきりさせる
  2. 「ホントカナ?」と立ち止まる
  3. 隠れた前提を検討する(勝手に相手が前提を入れていないか?)
  4. 類比論法に対しては相違点を見つける(一緒くたに物事をいってくる相手に注意する)
  5. メリットとデメリットを比較する

類比論法:Aを相手に認めさせるときに、それとよく似たBを持ち出して、まずBについて認めさせる。そしてAとBと同様なのだから、Aも認めるべきだと論じること


感想・気づき

・各章に練習問題があって、文章を正しく読む・書くための考え方を

 しっかり勉強できた気がします。

・図書館で借りてきたんですけど、これは短い期間でざっと読みするのではなく、

 Kindleとかで買っておいて、ちょくちょく見返して問題を繰り返して

 やりたいなーと思いました。

 本を読んだ瞬間だからわかった気になっているだけで、これはもう反復練習して

 血肉に変えていかないとだめだなーと。

・こういうのを会社の研修・教育に組み込むのもありだなーと思いました。

 「正しく文章を読む・書く」力が求められる業界に我々は勤めているのですから。

・全然別件ですけど、今度から「読んでみた」は小分けにして記事を書いていこうかなと思います。例えば、章単位とかで。

 全部読んでから記事を書くと、書く内容がどうしても薄くなるから

 章単位で本の要約や気づきを書いていけば、本の中身の理解度も増すだろうと思って。