技術覚書

自分のために技術的なことを色々と書こうと思います。

【行ってきた】関西AIフォーラム 2019 ~関西圏のAI・データ活用人材の育成を目指して~

こんにちは。

2019/2/8(金)に行った「関西AIフォーラム2019」のレポートを

ざっくりまとめますー

目次

これに参加しました

関西AIフォーラム 2019 ~関西圏のAI・データ活用人材の育成を目指して~

www.rsj.or.jp

どうしてこれに参加したの?

AIに関する情報収集。

泉大津AI研究会の方からご案内もあってこれは参加せねばーと。

当日、研究会の方にもお久しぶりにお会いできました。

プログラム

(1) わが国発の汎用人工知能(AGI)の開発動向とAGIが社会にもたらすもの

(講師:ドワンゴ人工研究所 所長 山川 宏 氏)

・AGIはなにをもたらすのか?

⇒汎用性(未来状況で推論できる)と自律性(知識を獲得しようとする)の相乗効果による知のフロンティアの開拓

 ・汎用的学習
  ⇒一般目的技術:破壊的イノベーショオン・開発コスト抑制
  ⇒ゼネラリストAI:人とのインタフェース・横断的な知識を利用した社会的決定

 ・自律性
  ⇒生存能力:設計しきれない例外状況に対する強さ(例:ルンバがひっかかって動けない等)
  ⇒創造性:人知のフロンティア拡大(化学的発見、発明、経済・社会問題の解決、知能爆発・シンギュラリティ)

AGI固有のリスク
 人によるAIが制御不能になる⇒人が支配される可能性
 人に不都合な副題が設定される可能性

 ⇒防ぐには?
  制限する、ロバスト性、適切なゴール設定(正しいゴールは何なのか。人によりそうゴールが必要)
  訂正可能である、説明可能であることが大切。


・2030年以降は人間レベルの汎用性をもつAIが実現する可能性はある

→人類とAIが調和する持続可能なエコシステムの構築が大事。

(2) 世界における日本のAI研究の立ち位置とAI人材輩出への期待

講師:人工知能研究会/AIR 運営委員 古屋 俊和 氏、エクサウィザース取締役フェロー)

・AIプロジェクトの特徴・課題
 ①AIプロジェクトは難易度が高い
  できるかどうか、データを入れてみないとわからない
   ⇒データの量・質、技術者のスキルがマッチするか

 ②データサイエンティストが少ない
  ビジネス、数学、programming能力と経験が必要。
  この3つの能力をバランスよく持っている人は非常に少ない。

・AIプロジェクトのコツ
 課題とプロジェクトメンバーでプロジェクトがうまくいくかは6割ほど決まっている
 ・課題
   ⇒パターン化された業務をAI化したいか
 ・プロジェクトメンバーについて
   ⇒AIに対して否定的な人がいないこと
   ⇒プロジェクトメンバーはAIについて基礎的な理解があるか
   ⇒発注者側にAIについて知識のあるメンバーがいるか
   ⇒ベンダ側にビジネス・数学・プログラミングの知識があるバランスの良い

・「課題設定」や「データ前処理」が精度向上にはとても重要

・AIの未来について

 ・仮想空間でのAI学習がすごいAIを作るカギになる。
  ⇒仮想空間なら車の事故とかいろんな失敗ができる。⇒そこからたくさん学習する
 ・AI(GAN)を使えば、CGの正解が現実の世界と区別がつかなくなる。

(3) AIベンチャーが提示する開発の見える化の重要性

(講師:atma 代表取締役 上浦 伸也 氏)

・AI導入のポイント
 Step1:ビジネスで発生するすべてのフローというのを細かく整理する
 Step2:コストや売り上げにかかわる部分に着目し、どこを機械化したいか目星をつける
 Step3:情報だけで判断、処理できるか俗人性を排除できるか
 Step4:情報を明確に定義し、データとして収集できるか考える
 Step5:どのデータからどの判断を機械化するかを明確にする ←このへんでAIベンダに投げられる。
 Step6:AIロジックやアプリケーションを作成する。

・ダイナミックプライシングの紹介
  ⇒価格を需要・供給にあわせてAIで動的に決める。(ホテル代とか航空チケットとか)特許出願中。業務提携先募集中。

(4) プラスチック成形へのIoT導入と機械学習の適用への試み

(講師:アスカカンパニー 代表取締役 長沼 恒雄 氏)

・会社紹介

 プラスチック製品の製造・販売。金型の製造・メンテナンス
 プッチンプリンカップを作っています。
 ハーゲンダッツのふたとか(ウラ側に会社のロゴが小さくあるそうです)

・アスカカンパニーのIoTとは

 ・中心は「人」⇒生成プロセスに対して、監視システムを生産プロセスを監視して、監視システムを人がみて管理する。

 →自分の会社のIoTとかAIというのを定義したほうがよい。(じゃないと違う方向にぶれるから)

・IoTと機械学習を入れた成果

 ・致命不具合のへの早期対応、検出

 ・稼働状態の見える化による、従業員の意識改革

  ⇒個々の稼働状況が見えるので、仕事への意識が変わる(後光効果)


(5) AIビジネス創出コンテストによるAIベンダ・AI人材の支援

(講師:大阪商工会議所 経済産業部 玉川 弘子 氏)

 こういうのを大阪商工会議所でやってるんですよーという紹介でした。

www.osaka.cci.or.jp

あと、人工知能技術コンソーシアムっていうのによかったら入会しませんか?というご案内でした。

www.airc.aist.go.jp

 

(6) 次世代の人工知能研究・応用の推進に向けボクらが目指すこと~人工知能研究会/AIRの取り組み

(講師:人工知能研究会/AIR 代表 佐久間 洋司 氏)

登壇した中で最年少の現役の学生さんでした。

学生が今AIの研究についてどう思っているか、という視点で色々話してくれました。

・AIの人材獲得について

 AIエンジニアに対してお金(給料)を出すことに関してはアメリカにはかなわない

 (1000万から数億という報酬を支払う)

 

AIRについて

 現在2,000人会員がいる。

 講演会とチュートリアルを中心に3年間やってきている。

 

・近年はディープラーニングもツールとしてより使いやすくなってきている。

 研究として、というよりはExcelのような身近な、ごく当たり前のツールになっていくだろう。

 

・学生にとって「かっこいいAI」ブームは終わった。

 ⇒ディープラーニングの研究はほぼ終わりが見えてきているらしい。

  画像認識の機械学習は今がピークでこれ以上精度は大きくあがらないだろう。

 ⇒残るのは泥臭いデータ収集やそれをどう応用するか

 

・(質問):ディープラーニングの研究は終わったといったが、では欧米では今どんな研究をしているのか?

 ⇒人間の脳にさらに一歩踏み込んでいきたいと考えているようだ。

  ⇒今、ディープラーニングは大量のデータを投入して学習をしないといけないが

  それをより少ないデータでいかに学習できるようになるようにしたいみたい。

 ⇒あと、GAN(機械学習で画像を生成するアルゴリズム)の研究が今一番ホットになっている。

 

参加による気づき

基礎知識の積み上げの大切さ

 今更だけど、AIに限らず最新技術をキャッチアップしながら最前線に活躍する人って、「教養」というかアカデミックな基礎的な知識の積み上げがすごいんだなと。

 数学や情報工学、職場ではすぐに役にはたたないであろうアカデミックな知識は自分自身の土台になって、そこから機械学習やIoTだとか枝葉である応用的な技術の習得につながっていくんだろなと。

 機械学習の技術書とかみててやっぱり、数学とかがわかんなかったりするから読んでてもチンプンカンプンなんですよね、恥ずかしながら。。。

 本当に自分はまだまだ勉強が足りていない。こんなんではいけない。もっと勉強しよう。

自分はAI(機械学習)とどうかかわっていきたいか

 ディープラーニングのモデル実装ができる、とかそういうばりばりのAIエンジニア

 になりたいとかじゃなくて、AI(機械学習)を問題解決手段の一つのカードとして持ってそれをビジネスに活用・提案できるエンジニアでありたいなと。

 ビジネスとして課題は何か、何が悩みなのかをしっかりくみ取って、AIエンジニアとうまく会話ができるブリッジエンジニアみたいな位置づけを狙いたいなと思っています。

 AIに限らず、いろんな問題解決のための手札を増やしていきたいです。